高齢化が進む現場に、新たな備えを 〜“気づける”体制づくりで、安全と健康を守る選択〜

写真：若手ドライバーの活躍を知っていただきたく、お二人で撮影いただきました。
左：2025年4月入社の新入社員 福島様（21歳）。右：代表取締役の尾崎様。

安全と快適を追求する、地域密着の交通サービスを展開

—まず初めに、業務内容について教えてください。

当社では、貸切バス、地域のコミュニティバス、タクシー、観光ガイド付きのタクシーなど、地域に密着した交通サービスの提供を行っています。現在、Nobi for Driverはバスのドライバーが中心に利用しています。

導入のきっかけは、ドライバーの高齢化と重大事故への懸念

—導入前に抱えていた課題はありましたか？

近年、全国的に大型事故への関心が高まっている中で、当社でも「他人事ではない」という意識がありました。特に、ドライバーの高齢化が進む中で、「安全に努めています」と言うだけでは不十分だと感じていました。実際に行動を起こす必要があると思い、従来の注意喚起だけではなく、より具体的な対策を模索していました。

—Nobi for Driverを導入したきっかけを教えていただけますか。

スマートウォッチでドライバーの健康状態や体調変化が可視化できる点に注目しました。

特に高齢のドライバーが多いため、自覚の無い不調や体調変化を見逃さないための手段として導入を決めました。実際に、意識を失って事故に至るケースも全国で起きており、そうしたリスクを少しでも軽減できればと考えています。

位置情報と体調をリアルタイムで把握、運行管理の質が向上

—導入後2ヵ月経ちましたが、ドライバーの皆さんの反応はいかがですか？

まだ様子見という段階ですね。「眠気は感じていないのにアラートが鳴る」といった声もあり、現場では少し戸惑いもあるようです。ただ、それも”自覚の無い疲労”に気づくサインかもしれません。今後、活用が定着していくことで、ドライバーの意識にも変化が現れてくると期待しています。

—導入前に抱えていた課題について、具体的に教えていただけますか？

リアルタイムで位置情報がわかるのは非常に便利ですね。デジタコではある程度の現在地は分かりますが、1分単位での詳細な位置把握はできませんでした。
例えば、渋滞中に「どのルートで進めばよいか」と連絡があった際にも、即座に正確な判断ができてとても助かっています。

—その一方で、課題に感じていることはありますか？。

週次レポートを活用したフォローが十分にできていない点は今後の課題です。日中は声掛けできますが、夜行勤務の方などは顔を合わせる機会が少なく、コミュニケーションが難しいですね。
また、ドライバーがアプリを誤って消してしまうこともあるので、その辺りのサポートも今後の課題と考えています。

写真：腕にデバイスを装着している様子

体調変化への気づきが、事故予防と信頼構築へ繋がった

—活用する中で印象的だったエピソードがあれば教えてください

朝早くの運行で「眠気の兆候・高アラート」が出たことがありました。その日は空港送迎の復路で空車だったため、「無理をせず、休憩してから戻ってくださいね」と声をかけました。
その方は市場勤務の経験があり、朝が非常に強い方でした。それだけに運転にも慣れていて、普段から体調管理にも意識を向けているようでしたが、慣れているからこそ気付きにくい疲労もあると改めて感じました。
また、別のケースでは、アラートが出たドライバーに連絡したところ、特に異常はなかったものの、実は不整脈の持病があることがわかりました。それを機に通院していることも共有され、健康面での対話が生まれたのも良い変化でした。

図：管理画面での高アラート通知

—今後はどのように活用を広げていきたいと考えていますか？

今後は、ドライバー一人ひとりの傾向が見えてくることで、アラートに対してより適切な声かけができるようになると考えています。
運行管理者側から積極的に話を聞く姿勢を持つことで、ドライバーからのフィードバックも増え、相互理解が深まるきっかけになると期待しています。

もっと“気づける”環境をつくるために。現場に寄り添った進化を期待

—今後追加されると嬉しい機能はありますか？

スマートウォッチについては、普段からご自身の時計を使っている方も多く、「2つ付けるのが少し煩わしい」といった声もあります。
できればNobiの機能を自分のスマートウォッチでも使えるようになると、もっと身近に感じてもらえると思いますね。

—最後に、同じような課題を抱える企業様へのメッセージをお願いします。

ドライバーの健康状態は、本人が言わない限り分かりません。でも、Nobi for Driverを使えば、微熱やちょっとした不調など、本人も気づかないような変化に管理者側が気づける可能性が高まります。
事故が起こってからでは遅い。違和感があれば、早めに声をかけ、休ませる。そういった体制を作ることが本当に大切だと思います。
特に、“いつもと違う”状態にすぐ気づけるような管理が、今後のスタンダードになっていくのではないでしょうか。

—本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。Nobi for Driverが、地域に根ざした安全な運行を支える一助になれるよう、より使いやすく頼りになるサービスを目指してまいります

永平寺観光株式会社様では、Nobi for Driverを活用しながらドライバーの皆様の健康に寄り添い、安全運行の実現に取り組まれています。今後も、こうした取り組みが地域社会の安心につながっていくことを願っております。

永平寺観光株式会社

URL：https://www.eiheijikanko.co.jp/
所在地：福井県福井市
業種：一般貸切旅客自動車運送事業・一般乗用旅客自動車運送事業 ・一般乗合旅客自動車運送事業　　　　　　　　　
規模：50名程度
ご利用期間：2ヶ月間 ／ ご利用人数：18名(2025年現在)

取材にご協力いただいた方：業務課　小形様